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VOL.63 NOVEMBER 2009

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教員MESSAGE [環境心理学]
「環境心理学」レポート作成に関する留意点

助教 高田奈緒美

 環境心理学のレポートを作成する際の留意点についてまとめてみました。受講生の方はご覧になり,これらのことを反映させたレポートを作成するように頑張ってみてください。

■2つの課題に共通する留意点

1.レポート全体の構成

 レポート全体の構成について注意深く考えてみましょう。大きくは,導入?議論?結論の3部構成にし,それぞれ順に15%,70%,15%くらいに割合にするとバランスが良くなるでしょう。

2.「段落」,「一文」についての意識を高める

 その段落で読み手に伝えたいことは何でしょうか? 読み手に何を伝えたいのか,段落ごとに意識しながら書きましょう。また,次の段落につなげるときには,段落間のつながりがスムーズで無理のないものかを考えてみましょう。そのようにして一つ一つの段落を積み上げていくつもりで全体を書いてみましょう。同様に,ひとつひとつの文章間のつながりも,なめらかで強引ではないか見直し,文章単位でも推敲を重ねてください。主語と述語が一致しない文章がないか,長すぎる文章がないかをチェックしてみてください。(レポートでの「です?ます」調,箇条書き,体言止めなどはふさわしくありませんので使用しないように。)

3.参考文献?引用文献について

 引用文献とは,その中の文言を引用した文献です。その文献の著者?出版年?タイトル?出版社をレポートの最後に明記しなくてはなりません。本文中に,例えば,「高田(2009)は…」や「…である(高田,2009)」などと表記した場合には引用文献となりますので,その原典を引用文献として記載してください。もしテキスト中で紹介されている研究をレポートに記載する場合,上述のような表記((高田,2009)など)をするなら引用文献として扱ってください。また,参考文献は,レポートを書く上で漠然と参考になったという文献です。これも最後に参考文献として著者,出版年,タイトル,出版社の情報を挙げてください。

■「職場環境あるいは住居環境のどちらかを選び,その機能性,快適性,安全性について,具体的例をあげながら,望ましい環境条件について論じなさい」(1単位目)

1.概念の定義

 職場環境か住居環境のどちらかを選び,その環境における機能性,快適性,安全性とは何か,3概念それぞれについて,自分はどのような意味でこの言葉を用いるかを述べてください。その際,「○○性とは…のことである」などの文章を使うとよいでしょう。
 論じようとする概念を定義することは,自分が何について述べようとしているのか,自分が論じるのはどの範囲なのかを読者に伝えることです。例えば,「快適性」とは何のことでしょう? 身体的な心地よさを指しているのか,精神的なそれを指しているのか,両方なのか,あるいはもっと別なものを指しているのか,さまざまな解釈があり得ます。書き手と読み手が同じ事象について考えることができるよう,概念を定義する必要があるのです。

2.定義した範囲内におさまる具体例

 定義ができたら,自分が定義した範囲内に収まる具体例を示すようにしましょう。その際,定義と具体例の一貫性を保つよう心がけましょう。そうすることによって,脱線することなく議論することができ,読者に説得力をもって働きかけることができます。

3.最後にまとめの段落をつくりましょう

 住居環境(職場環境)の機能性,快適性,安全性についてそれぞれ論じ終えたら,最後にまとめの段落を作ってレポート全体を締めくくるようにしましょう。今まで論じてきたことをまとめ,どのような住居環境(職場環境)が理想とされるのかについて,自分の考えをまとめるようにしてください。

■「環境汚染や破壊の実態を紹介しながら,地球環境を守るためにわれわれが心がけなければならないことは何かを論じなさい」(2単位目)

1.環境汚染?破壊の現状紹介

 環境汚染?破壊の現状について,砂漠化や温暖化など,ご自身の関心のあるものであれば何でもよいので1つ,多くても2つ位のトピックに絞って具体的に紹介してください。

2.環境汚染?破壊の原因

 紹介した環境破壊がなぜ生じたのか,その原因を考えて書いてみましょう。

3.原因を取り除く具体的行動と,それを促進する心理学的アプローチは?

 原因まで記述できたら,その原因を取り除くために我々ができることを具体的に書くとよいでしょう。その際,どのような心理学の知見や考え方がそれを促進することができるのかを調べて紹介してください。また,その紹介した心理学的方法が,なぜ原因を取り除くことができるのかを説明することも忘れないようにしましょう。環境問題の難しさは,環境破壊を抑制する日常的な行動(例えばエコバックや公共交通機関の利用など)が大切であるという人々の認識は十分にあるのに,実際にはそれをあまり行わないところにあります。どのような心理学的知見を活用すれば,こうした問題を少しでも解決できると思いますか? これについてもしっかりと論じるようにしましょう。

 レポートの一番の目的は,課題についてさまざまな資料や文献を調べ,調べたことをもとに自分が「何を」「どう考えたのか」を読み手に分かりやすく伝えることです。自分の考えや主張を段取りよく相手に説明することは日常生活でも澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】なスキルだと思います。レポート作成を通して、ぜひこのスキルを身につけていただけたらと思います。がんばって下さいね。

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