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VOL.38 SEPTEMBER 2006

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平成17年度通信制大学院修了者からのメッセージ3

「4年間」を振り返って

社会福祉学専攻 I.A.

 多くの方が2年で卒業されていく中で,私は集中力?意欲?実力の不足と仕事を口実に十分に学習を進められずに,最長の修業年数の「4年」という年月を通信制大学院で過ごさせて頂きました。そんな私がどうにか修了証書を頂くことができたのは,指導教員の加藤伸司先生と菅野さんをはじめとする事務室の皆様のご指導,ご支援を頂くことができたからです。お世話になりました皆様に心からお礼申し上げます。ありがとうございました。
 4年間…,長い時間がかかりました。1年目,入学させて頂いたものの自分でコントロールして学習を進めるということは,私には難しいことでした。通信制大学院ガイドブックや,科目別ガイドブックを手にしても,眺めるだけで先に進まず,参考文献を読んでも「レポートってどう書いたらよいのか」戸惑い,一行も書けませんでした。ただ,夏のスクーリングでは,平日の昼間から自分のために使える時間があることや出席されている方々の現場に即したお話を伺えて,活気に満ちた雰囲気に酔い,そして先生のおおらかな雰囲気や専門的なお話に感激し,新幹線に乗って帰ってきました。それなのにパソコンに向かうものの数日でまたレポートが書けない,先に進まない状態に戻って時間だけが過ぎて行きました。2年目,レポートの書き方につまずいたまま,勉強の進め方もわからず,また職場の環境から社会福祉士の受験にも手を出してしまい,一つの単位を得ることもできずに終わってしまいました。ただこの受験勉強で手にした参考書類が,その後のレポートに役立つこともあり,「勉強とはこういうように繋がるものなのだなあ」と実感しました。
 3年目,この春に「2年」で卒業されていった1期生の方々のメッセージがWithに掲載され,仕事と両立しながら2年で卒業されていった方々の勉強?研究方法などを何度も読み返し,後がないことを実感しつつも夏休みごろまではまだのらりくらりしていました。しかし,レポートの締切日などが近づき,焦り始めて「レポートの書き方」という類の本を改めて今更ですが読み込んで,何とか文字数を確保して形にして提出していきました。とにかく少しでもレポートを提出することに必死になりました。4年目,本当に後のない年となりました。4月から気になりつつも修論には手を付けられず,「まずは単位修得」でレポートを優先していきました。それでも8月の中間レジュメ提出のころには,他の院生の方の確実な進捗状況を目の当たりにして焦り,ようやく修論にも目を向け始めました。ところが,当然ですがレポートと修論の同時進行は無謀でパニック寸前になり,それは修士論文と最後のレポート提出まで続きました。各科目のレポートは,修論を書くための一つの準備段階として多くの知識を得て考えを深め,文章の書き方を身につける機会であったと思います。それを入学当初から意識して計画的に学習を進めていたら,修士論文はもう少し内容を深めて,じっくり取り組むことができたのではととても後悔しています。
 それでも,そんなやっとの思いで提出したレポートが添削されて戻ってきた時には,とても感激しました。「合格」さえさせて頂ければ評価はさておき,それで充分!と思っていましたが,先生方のコメントがとても勉強になりました(当たり前ですが…)。提出時にはこれ以上できないと思っても,添削頂いた内容を見ると足りなかった点や改善点がどんどん見えてきました。つたない内容のレポートにもそのようにご指摘くださることに感激しました。ご指導頂いた21本のレポートは,内容はともかくも,何より私の財産だと思っています。添削頂いた内容から学び,指摘された点は私にとっての文章構成や思考の弱いところだと認識し,次のレポートや修論を書く時に注意する点になりました。
 その修士論文では,4年目になってようやく論文作成のスタートラインに立てても,その時は遅すぎました。入学願書提出当時の研究計画書でイメージしていたことはすでに世の中の流れになっており,今さら私が何か取り組めるような感じではなくなっていたのです。ぼんやり時間を過ごしていたのが失敗でした。そこでどうにか形にしようと取り繕っては,加藤先生からテーマが大きすぎること,研究の意味?目的(何を明らかにしたいのか)を何度もご指摘頂きながら飲み込めず,分析の方法も数学の理解が至らず,結果的には提出させて頂くことができましたが,本当の大学院生としての学び?研究には遠く至らないものとなってしまいました。「やりたいことと,今の自分の力と時間でできることは違う」との先生からのご指摘が印象的で,今でも,こんなものでもよかったのだろうかと恥ずかしい気持ちです。それでも,一つのことを完成できた充実感と,集めに集めた参考文献?資料の山が,これもまた財産になると思っています。テーマが絞れないまま集めたものだったので,最終的に論文に用いることができたものは限られたものですが,そこにたどり着けるまでにヨロヨロとでも文献に当たって考えを進める時間も必要であったのだと,今は思っています。
 これまでの私はのらりくらりと「行けるところまで行ってみよう」という気持ちでいました。今もその気持ちはあるのですが,大学院生として過ごした日々の中で「あきらめない」ということも学びました。2年目の終わりの頃から,何かにつけて「後がない」と言って焦り,レポートが添削されてくるたびに新たな課題が見えてきたり,手付かずのレポートが多々あり,修論にも向き合えない時,「もうダメそうだな」と何度も思いましたが,菅野さんから「あきらめないで」との励ましをたびたび頂き,「ここであきらめてしまったら,ここまで頑張ってきたことが意味を成さない」と思い,どうにか次の課題へと進むというこの繰り返しで,「あきらめない」ということが私にとって卒業までの最大の推進力だったように思います。4年もの時間がかかってしまった私が,今確実に研究を進められている皆様にお伝えできるようなことは何もないのですが,「4年間を振り返って」の思いを綴らせて頂いたことが,もし今諦めかけていらっしゃる方の目に留まり,「4年かかってもこんなふうにでも卒業していった人がいたのだからあきらめずに続けてみよう」と,気持ちを楽に思ってくださることがありましたら幸いです。

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