　入試日（平成16年3月6日）は仙台でも珍しい大雪の銀世界でした。その1ヶ月後には満開の桜のもと，福聚殿において校歌を歌ったときには，まだ何も学んでいないのにもかかわらず，澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】で学べる喜びを実感しました。学位記と同程度に「合格通知書」は嬉しいものでした。このときの喜びは2年間の学びのなかで，間違いのない感覚でした。

●どのような学びであったか

1．修士論文と単位修得のための学習は違う
　入学式終了後，大学院生と教員との交流会があり，この助言を受けました。感覚的にもそのとおりだろうなぁと思い，1年めでできるだけ多くの単位をとれるよう頑張ってみましたが，予想通りというか，なかなか計画どおりにはいきませんでした。結局2年めで，予定を超えて，単位修得のためのレポート作成に取り組まないといけなくなりました。これは少々つらかったです。単位修得のためのレポート作成をしていても，修士論文が気にかかるし，その逆もあったりで，切り替えがうまくいきませんでした。どっちみち修士論文で追い込まれるわけですが，2単位でも，4単位でも1年めに多く修得しておくことが追い込まれ状況を軽くします。当たり前のことを書いて，恐縮です。

2．単位修得のための学習（研究?演習）は．修士論文書きのための必要なプロセス
　特に1年次の人たちにとって，レポート作成は本当に大変だろうと思います。たまに文章を書くのが好きだという人がいますが，“できれば避けたい”という方が多いのではないでしょうか。私自身もできれば書きたくない派です。通学の大学院を修了した人に本学の研究?演習にかかるレポートの分量について話をしたらびっくりしていました。勿論，分量の多さにです。
　言うまでもなく最終目標は修士論文を書き上げることです。通学の場合には，教員や他の大学院生との日々の交わりが修士論文を書くための条件作りにつながる部分がありますが，通信の場合，自宅での学習が主になるという環境を考えると，量を書くことが修士論文を書くための条件整備になるのではないでしょうか。
　研究?演習にかかるレポートの量は修士論文の分量をはるかに超えると思います。書くことに間があけば，書くことが私の場合苦痛になります。実は久しぶりにこの原稿も書いており，ちょっとしんどい部分があります。書くことの苦痛を軽減しようと思えば，書くことを細々とでもいいから続けることがポイントのような気がします。

3．知的好奇心を刺激する「演習」には貪欲な参加を
　演習で履修するためには研究の履修を前提とする条件がありますが，各自所与の環境のなかで，できるだけ参加した方がいいです。人との交わりのなかで，人は成長するものだという人間観を持っている私にとって，3日間分散，集中という違いはあるにせよ，知らない者同士が学ぶ，意見を交わすという体験はとても有意義でした。レポート書きや修士論文のこと，今の仕事のこと，これからのこと，家族などプライベートなことなどさまざまな話ができたことはちょっと大袈裟ですが，明日の活力になりました。演習が終わり，夜の仙台でのどを潤したこともいい思い出です。
　これらの出会いは一期一会の場合もあるし，長い付き合いになる場合もあるでしょう。人との付き合い方に濃淡はつきものです。しかし，まずは出会わなければ，濃淡という色はつきませんし，“縁”も生まれません。演習に参加して，積極的に声をかけること──演習がすべて終了し，帰宅の途につくとき，満たされた気持ちになるのではないでしょうか。

4．掲示板は，一人でないことの証し
　掲示板に登録されている方はご存知だと思いますが，平成17年度は，特に後半になって多くの書き込みがなされました。私自身もときどき書き込みをさせてもらいましたが，掲示板はよく開いていました。そこには，顔も名前も知らないけれど，修士課程で同じように学んでいる人の存在が伝わってくるし，一人で学んでいるのではないということを実感しました。
　平成17年度修了者は口述試問，学位記授与式の後に交流会を持ちました。そこではじめて掲示板の書き込み者を知るきっかけにもなりました。修士課程を修了して，ある種の寂しさがありました。寂しさを感じるのは，その前の掲示板で励ましあい，交流会でともに修了というゴールテープを切れた喜びを共有できたからだと思っています。

●感謝の気持ち

　修士論文の指導をしていただいた志田先生，本当にお世話になりました。また，学生と教員との間に立って，手続きやちょっとしたお心遣いをしていただいた通信教育部の皆様，本当にありがとうございました。事務局体制に澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】の教育の質の高さが現れていると思います。