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VOL.30 SEPTEMBER 2005

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[臨床心理学]
H17年度「臨床心理学」スクーリングを終えて

助教授
佐々木 千鶴子

 今年度の「臨床心理学」の春期(5月)?夏期(8月)スクーリング受講生は合わせて約250名でした。今年度入学者から4年生まで,また,学科もさまざまです。そして,受講生の年齢,職業,心身の健康状態もさまざまです。こうした条件で「臨床心理学」の講義を集中で行い,試験をし,採点をすることは,私にとっては正直なところ大仕事です。時代の大きな変化のなかで,「心について学びたい」と意欲を持ってスクーリングに参加している皆さんの気持ちがひしひしと伝わってきますから,気が抜けません。
 臨床心理学は,発達心理学,人格心理学,心理アセスメント,心理療法などから構成され,また,精神医学に関連する部分もあります。ですから,福祉心理学科ではそれぞれが別に開講されています。必修のこの授業では基本的な考え方を中心にできるだけ初学者向けに概論的なものとして準備することにしています。

 春期の感想に「通信教育の内容は通学部と同レベルではないのか」という質問がありました。講義内容は「同レベル」ですが,週1回4カ月かけて行う授業と集中講義のスタイルは,いくぶん変えた方がよいと思っています。集中講義には集中講義のよさと限界があるでしょう。その点は,いろいろ工夫をしているところです。
 スクーリングの授業の冒頭でも説明しましたが,誰もが心に関してはすでにいろいろな考えを持っていることが多いため,こちらが伝えようとしたことがなかなか伝わらないのは,通学も通信も同じです。価値観の問題も入ってくるので,私自身が学んできたプロセスを振り返っても,臨床心理学特有の学びにくさは痛感してきており,教える立場になってなおのこと,臨床心理学のむずかしさを感じています。
 また,できるだけ心の負担にならないようにと配慮しながら内容を決めています。たとえば,スクーリングでは少しでも体験過程を重視して授業を構成しようと昨年まではコラージュを実施していましたが,作成に参加しない方が10名ほどいらっしゃったため,今年はやめました。しかし,わずかばかりの時間であっても「交流」することを重視した授業にしているつもりです。効率ばかり追いかけるのは,私の本意ではありません。実に個人差の多い,多様な方々の集団としての大学の通信教育部のよさを大事にしつつ,できるだけ受講生全体のニーズを考えているつもりです。こうした限界や条件のなかで「ほどよさ」や「お互いさま」をスクーリングを通じて実感しながら,卒業していただけたらと考えます。
 また,授業で「期待した内容が聴けなかった」という声もありました。その点は,これからの授業でもっと工夫をしていこうと思いますが,年齢等々の異なる多彩な受講生のニーズに個々に応じることは不可能です。冒頭で示した他の科目に期待していただきたいですし,また,さまざまな文献を手がかりにぜひご自身の関心を深めて行ってもらいたいと思います。

 それでは,皆さん,テキストを読んでください。参考文献を読んでください。少なくともレポートの書き方を読んで理解してから取り組んでください。スクーリング受講生だけでも,4課題×250人=1000課題です。読みやすい字で,書き方のルールを守るようお願いします。テーマにそって,調べて,考えて,まとめあげられたレポートを待っています。

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