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VOL.54 SEPTEMBER 2008

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[公的扶助論?社会保障論]
夏期スクーリング(公的扶助論?社会保障論)を終えて

教授 阿部 裕二

 私にとって恒例の夏期スクーリング(公的扶助論?社会保障論)が無事?終了しました。例年のことですが,いずれの科目も仙台会場をキーステーションに配信授業として実施しました。地域間に差があったとはいえ,全国的に猛暑となったこの夏,仙台?札幌?盛岡?東京のそれぞれの会場で参加された受講生の皆さん本当にお疲れさまでした。

◆お詫び

 まず,配信の際,何度か不具合が生じ大変ご迷惑をおかけしました。お詫び申し上げます。情報技術の発展の恩恵により配信授業が成り立っていますが,何事にも完璧はあり得ないことをご理解いただきたいと思います。なお,万一,不具合が生じても他会場の受講生の方々に不利にならないように,授業を進めたつもりですのでご安心ください。

◆スクーリングに参加する際には……

 『試験?スクーリング情報ブック2008』の私の担当科目には「教科書をよく読んで出席してください」という一文があります。5コマ(+試験1コマ)あるいは11コマ(+試験1コマ)という少ない講義回数のなかで,理解を深めるためには,予習?事前学習が必要なのです。
 参加者の皆さんは,ご自分の事前学習を自己評価するとどのくらいでしょうか? 私としては,ある程度,予習?事前学習をされてきたことを前提として講義を進めましたので,万一,準備不足の場合は,苦痛でしかも怒濤のように時間だけが過ぎ去ったかもしれません。
 とはいえ,アンダーラインがビッシリ引かれている教科書をお持ちの受講生の方々も多く見受けられましたので,ほとんどの方々は積極的な姿勢と熱意でスクーリングに臨まれていましたし,科目担当者としても,その積極的姿勢と熱意に応えられるように,できる範囲内で全力を尽くしたつもりです。

◆総論的視点からの公的扶助と社会保障

 皆さんは本格的に公的扶助論,社会保障論を学ぶ前,あるいはスクーリングに参加する前,公的扶助論や社会保障論に対してどのようなイメージをもっていましたか?生活保護や年金,医療(後期高齢者医療など)の個別制度への関心はあっても,総論的な公的扶助や社会保障については漠然としてつかみ所がないという声をよく聞きます。公的扶助,社会保障ともに身近な分野でありながら,「論」として「学び?考える」機会はあまり多くなかったかもしれません。今回の学びの中で,生活保護,年金,医療などの各論への興味?関心から公的扶助,社会保障という総論的視点の澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】性を是非認識してほしいと思います。
 また,いずれの分野もコンクリートのような固定した領域ではなく,社会?経済などの生活環境が変動すれば,連動して変化するというダイナミックな分野?領域であるという理解も必要です。その意味では,仕組み?システムを与えられたものとして受け入れるだけではなく,私たちが主体となって変革させることも可能なのです。
 しかしながら,「変えることの澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】性とともに,変えるべきではない不変的な考え方」を理解する澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】性も同時にあります。何を変え何を変えないか,流転と不変を一体としてとらえる,つまり「不易流行」の思想です。このような視点が,公的扶助論,社会保障論を学ぶ際には必要なのです。

◆理解しやすい講義資料集?

 ところで,スクーリングを実施するにあたって,「講義資料集」を毎年作成し,これをテキストとして,または板書代わりとして使用してきました。今年度も「理解しやすさ」を心掛けて作成してきたつもりですが,改訂を重ねるにつれページ数も多くなり内容も煩雑化してきたように思えます。次年度はもう少し簡素化した方が良いのかもしれません。
 ただし,ページ数が多くなったとはいえ,すべての領域にわたって「講義資料集」に盛り込まれているわけではありません。時間の関係上,割愛している部分があることもご理解いただきたいと思います。

◆学び方とその意義

 最後にこれらの分野をどのように学び,どのように活かすかについて述べたいと思います。私たちの生活は老齢,傷病,障害,死亡などのさまざまな危険(リスク)に取り囲まれています。これらのさまざまなリスクを避けて通ることはできません。これらのリスクは当然ながら「日常生活」において存在するものであり,その意味でも,「もし自分が高齢になったら」「病気になったら」「障がいをもったら」「貧困になったら」というように具体的なイメージのなかで理解していくことが肝要です。
 このように,社会保障を学び考えることは,福祉現場という臨床において必要であるとともに,私たちの「日常生活にも役立つ(必要になる)」ことになるのです。
 以上,スクーリングの感想と今後の学習の参考になればと思い書き連ねてみました。皆さまのますますのご健勝を祈念しております。

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