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VOL.36 JUNE 2006

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平成17年度通信制大学院修了者からのメッセージ

修了生“よもやま”話

福祉心理学専攻 M.O.

 在学生の皆様,こんにちは。これから少々,私のよもやま話にお付き合いください。
 さて,2年間を振り返ってみますと,自分の人生の中(現在51歳)で,これほど充実した時は無かったな?と感慨深いものがあります。仕事では味わえない,なんともいえない充実感で一杯です。
 仕事では味わえないと書きましたが,実は,大学院での研究がとても仕事を楽しくしたのも事実です。いわゆるシナジー効果といえるかもしれません。
 入学当時,ある種の「気づき」を基に,研究を進めたいと思っておりました。その気づきとは,自分の仕事を通し漠然と感じていた「ことがら」でありました。しかし,振り返ってみますと,研究テーマとして考えていたことがあまりにも壮大で,その道の研究者が何年もかけなければ論文にできないようなものでありました。大学院での最初の学びは,研究とは……という,奥の深い問いに直面したことでした。しかし,この学びの答えは,それに関する先行文献を読み進める内に,自然に見えてきました。それはどういうことかといいますと,自分の漠然とした仮説が,先行研究の知見により明確化し,より具体的な問題へ絞り込めたということです。論文を仕上げるために取り寄せた先行文献の厚さが,自分の知識となり知恵となっていることを実感しております。
 大学院で得たことは,何事もエビデンスに基づき判断すること。エビデンスは科学的根拠ともいいますが,仕事をする上で,このことが大変澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】であることを体感しております。
 「学んだことは仕事に活かす」,社会人が学ぶことの有益さはここにあると思います。研究を進めるということは,実は仕事のPDCAサイクルを回すことと同じであり,研究と仕事が一体化することにより,より仕事が楽しく感じられるという訳です。
 大学院というところは,研究の作法を知っていることが入学の前提条件であると思います。しかしながら,私の場合,統計解析をはじめ,実験計画を立案するための要因計画法など,大学院に入学してから学びました。特に統計解析は,国の機関である高度ポリテクセンターの3日間コースを受講し,何とか自分のものにしました。このセンターの研修は誰でも受講できるので,統計で悩んでいる学生には学びの場として最適だと思います。
 修士論文は,自分の仕事と関連する内容であったため,特に研究を進める上で問題はありませんでした。このことから言えることは,問題意識や研究目的は,なるべく身近なところから見つけるということです。そうすることにより,日々の生活の中で気づいたことが,論文の論旨に直結するようになります。勿論その間,関連する先行文献をなるべく多く読むことが必要ですが。
 研究とは,ある意味孤独な作業かもしれません。自分の仮説を証明するのですから,誰も助けてはくれません。特に通信制の場合,制度的にもこの孤独を増強させます。しかし,この孤独な作業をやり遂げた時,研究のスキルを身に付けた,明らかに以前と違う自分を発見することができます。
 今正に,研究をどう進めようか,或いは自分には研究ができるのだろうか,と悩んでいる院生が居られると思います。私は,それが正解だと思います。悩んで,色々考えることが研究の視点を生むと考えるからです。そして,悩んで試行錯誤した上で,指導教官のアドヴァイスを受けることが大切だと思います。決して,焦らないでください。
 最後に,お世話になりました小松紘教授はじめ事務室の菅野陽子様に,紙面をお借りし厚く御礼申し上げます。大変お世話になり,ありがとうございました。そして,後に続く通信制大学院生のために,これからも宜しくお願い申し上げます。

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