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VOL.36 JUNE 2006

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平成17年度通信制大学院修了者からのメッセージ

学びは交流の場

社会福祉学専攻 M.H.

 私が大学院で学ぶ動機になったのは2点ありました。そのひとつは近年,福祉の現場では「経験」が否定されがちであることに疑問を抱き,「経験」の意味を探りたかったことです。いかに福祉の現場での「経験」が課題レポートを提出にあたり,ものをいったかを実感しました。もうひとつの動機は長年,特別養護老人ホームに勤務し,介護保険施行以降,「利用者本位」の名のもとに従来のいわゆる大規模施設である特別養護老人ホームの役割が終焉したかのような印象を与え,その処遇の歴史が風化される前に修士論文としてとりまとめたいということでした。
 そして,目標は2年間で卒業することとしました。ちょうど同じ大学の3年生である娘と一緒に大学,そして大学院を卒業することを夢みたからです。幸にして今春この目標を成し遂げることができました。
 1年次は課題レポート提出,そしてスクーリングが中心となりました。特に5教科のスクーリング授業は私の凝り固まった福祉への概念を崩し,再構築していく場となりえました。また多くの学友と知り合える良い機会ともなりました。特にスクーリング後,課外ゼミと称して先生,学友を囲んでの飲み会は仙台に新たな思い出を刻むことができました。
 修士論文作成に本格的に取り組みだしたのは2年次からでしたが,レポートの再提出もあり,卒業できるのかという焦りもでました。一方,あてにしていた資料が,手元に入らず,やむを得ず休日には大学の図書館に通い続け資料のコピーをとりました。夏休みを利用し,県内の特養ホームの草創期の職員からの聴き取り調査を行ったところ快く応じてくださいました。秋風が吹く頃となり,バラバラのデータをとりまとめていく方法がわからずに,足踏みの状態のなか,指導教員の田中治和教授より面接指導を受け,話していくなかで道筋がみえてきました。そして追い込みの時期になると,目が覚めた3時ころからパソコンに向かう毎日となり,山口誓子の句「学問の寂しさに耐え炭をつぐ」という孤独な心境でした。また,仕事,日常生活すべてが修士論文のことで頭が一杯になり,執筆のヒントになることがないかとアンテナをはりめぐらしていました。そんななか田中教授よりご指導をいただきながら,ようやく雪が降り出す頃に,着地点をみいだすことができ安堵しました。
 孤独な通信の学びのなかで,最も励みとなったのが,通信制の掲示板での交流と通信教育部の職員の方のご助言でした。掲示板では,レポートや修士論文の進捗状況,疑問点そしてある時は愚痴等も書き込みながら情報を交換しあいました。いつも同じハンドル名しかでていないという声もありましたが,結構,多くの学友が掲示板を閲覧し参考としていることをその後の交流会等で知りました。是非とも後輩の皆様,掲示板をご活用ください。学びは交流の場です。おおいに機会を作り交流を深めてください。私もこの2年間でかけがえのない多くの学友を得ました。また,さまざまな要望や細かい疑問まで応じていただきました通信教育部の青柳課長,菅野さんには感謝いたします。何よりも学ぶことの楽しさと厳しさを知りえたことが唯一の財産となりました。

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