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VOL.27 MAY 2005

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平成16年度通信制大学院修了者からのメッセージ

あえて“孤独の学び”をお勧めする理由
社会福祉学専攻 K.I.

 ようやっと2年間にわたる学生生活が終わった。内心ホッとしている反面,一抹の寂しさもよぎる。私にとってそれはそれは大切な2年間だったことが今さらながらに感じられる。今回の修了に際して本誌に体験談を寄稿させていただく機会を得た。お読みになる皆様にどれだけの参考になるか不安もあるが,私にとっても光栄なことと思い,若干の誌面を割かせていただく。
 そもそも大学院にチャレンジするきっかけとなったのは,職場の上司の一言だった。ある日会議室に呼び出され,「職員育成の一環として大学院就学費用の一部助成制度が発足した。この機会に受験してみないか」というものであった。私が勤務しているのは,社会福祉法人全国社会福祉協議会の中央福祉学院という研修部門だ。日常的には研修会の企画?立案?実施等を担う事務方である。しかし全社協に就職して17年近くを経ていた当時,自分なりに迷いや悩み,あるいは課題といったものを抱え,「この先,どう仕事をしていくべきか」を真剣に思案していた時期だっただけに,その上司の一言はまさに渡りに船となった(学費の一部を助成してくれるという魅力も大きな要因ではあったし)。
 私自身にはもともと夢があった。福祉の業界に籍をおきながら,いかにして“利用者満足”というものを実現させられるかという夢だ。身近なところでは研修会にお越しいただく全国各地の社会福祉関係者の皆様方に,いかに満足していただける企画を立てられるかであるし,少し離れた見方をすれば福祉サービスの質的向上が利用者である国民にどう満足を与えられるかにある。短期的視点でいえば研修資質の向上にあるし,中長期的視点を想像すれば豊かですばらしい長寿?福祉社会をどう実現するかにあった。それを“利用者満足”という一つのキーワードをもとにどう展開させるか……。これを仕事ではなく学業で試行錯誤してみたかったのだ。それが私の夢だったのである。その夢を実現できる舞台を与えてもらえるのであれば,遠慮する理由は何もなかった。
 しかし,噂には聞いていたものの,通信制大学院はそうそう簡単なものではなかった。私の職場にも社会人として毎週末大学院に通い,見事修士を得た者がいる。当初私は通学の方が大変だと思っていたのだが,何の何の通信制ほど“孤独の学び”は他にないだろうと感じる。確かに指導教授や仲間からの応援やアドバイスはもらえるものの,最後は一人ぼっちでパソコンに向かわないといけない。「2年間で大変だったこと,苦労したことを書け」というのがご要請であったが,私なら迷わず“孤独の学び”だったことを挙げる。しかし終わってみると,この学びが,実は社会人として組織人として専門職として,一番大切で一番欠けていたものだということに気づいた。日々の多忙さに追われ,目の前の残務に苛まれ,こういった“孤独の学び”あるいは自らの振り返りを怠っていたのではないだろうか。そう感じた時,苦労や大変さと感じていたことは,みるみる“自力で自らに染み込ませることができた糧”となっていった。
 これはあくまで私見であり他意はないが,大学院で学ぶのであれば,社会人として一定の時期を過ごした後をお勧めしたい。幼い頃から“学ぶ”という環境で成長し,社会人となって初めて何かに“気づき”,何かを“描きたい”と感じる。それを成就させるために必要な“学ぶ”という姿勢を,再び大学院という環境で得られるということは,何物にも変えがたい喜びとなり得る。
 今現在大学院で学んでいらっしゃる諸兄,そして今後“学んでみようか”と考えていらっしゃる方々には,ぜひこの喜びを味わっていただきたい。なぜなら私たちには,この“学び”を実現できる幸せな環境や設備,スタッフが十分すぎるほど用意されているのだから。

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