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【学習サポート】

福祉心理学科での出会いと歩み

福祉心理学科 助教授
渡部 純夫
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はじめに

 新入生の皆さん福祉心理学科へようこそ。心より歓迎いたします。そして,新2年生の皆さんには,一年間のがんばりの結果進級されたことに心より敬意を表したいと思います。
 それぞれに,胸の中で去来するものは違うかもしれませんが,新たな自分を見つけるための学習が始まります。未知なる時間と空間への旅に一緒に出かけましょう。

福祉心理学科での学びについて

 それぞれの考えのもと,福祉心理学科の門をたたかれた1年生の皆さんがこれから学ばれる学問は,人々の福祉(=幸福)に役立つ「心理学」ということになります。「心理学」というと,人の心を分析し理解することが可能なものと考えている人もなかにはいるかもしれませんが,けっしてそういうことではありません。
 「心理学」には科学としての側面があります。客観的な法則を見つけ出すことも「心理学」の大切な課題です。そのためには,「心理学」の基本になる概論をしっかりと身に付ける必要があります。また,意識や行動を実験的に証明することにも取り組まなくてはなりません。そこでは,数学的な思考や計算などが入ってきますので,今からそれなりの覚悟をしておいてください。
 一方,2年生の皆さんは,この一年間を通して「心理学」に少しは触れてきたわけですから,「心理学」の何たるかがわかりかけてきたと思っている方がいるかと思います。しかし,実際はそうではないことをまもなく知ることになると思います。一年間を通して「心理学」の淵しか覗き込んでいなかったことが理解できる日は近いと思います。一年間で,「心理学」の核心に近づくための入口から入ってもよいというお墨付きをようやくもらったと考えてもよいのかもしれません。それくらいに「心理学」の深さをこれから知ることになるのではないかと思います。それを知ったからといって臆することなく,一歩一歩確実に学びをすすめていってほしいと思います。

「心理学」を学ぶことの意味あい

 「心理学」を少しかじると,人のなすことすべてを「心理学」で解釈したいという衝動に駆られることが起こります。下手な理屈づけをしたくなります。そして,相手のことがすべてわかったような錯覚にとらわれることがないとは言えません。しかし,人のこころがそう簡単にわかるはずはありません。むしろ「心理学」を学べば学ぶほど,人間の不思議さや心の深さにふれることになり,わからないことがたくさんあることに気づかされます。そして,謙虚な気持ちで相手とかかわりを持たせてもらうことから生まれる心のつながりの大切さを理解することになります。
 「心理学」を使って相手の心を変えてあげるといったあさはかな驕(おご)りはどこかに一掃されることになると思います。人間として素直に相手の生き様(ざま)を受け入れていくところに,「心理学」としての究極の姿があるように思うのは私だけでしょうか。
 また,「心理学」の知見は人々の幸せのためにのみ使われなくてはいけないことをくれぐれも忘れないでいただきたいと思います。そこでは,使用する側の倫理と責任がいつも問われることになります。

おわりに

 簡単にではありますが,「心理学」の一側面について述べてきました。これから,「心理学」を学ばれる1年生はもとより,進級した2年生の方にも共通したものをと考えながらまとめてみました。私の思いのほうが先行した感が否めないのですが,大事なことと思いましたので,少し気に留めておいていただければと考えています。
 それはそれとして,新たなスタートが切られます。新鮮な驚きもあるでしょうし,スクーリングを通して友達を作られることもあると思います。とかく通信というと孤独な学習と思われがちですが,このような場を通して仲間と出会いお互いに励まし合いながらがんばることもできます。
 学問をする喜びと楽しさを,通信だからわかりあえる仲間と共有することも,通信のよさのひとつではないでしょうか。有効に場と時間を活用し,健康で実りある一年になることを心より祈りながら,お祝いの言葉にしたいと思います。

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