【学習サポート】
[社会福祉学科] 通信教育部の開講にあたって
社会福祉学科 学科長代行
三浦 俊二
高齢化?少子化社会の問題がいわれて久しいわけですが,こうした問題に対する社会的な対応は十分といえるでしょうか。また,高齢化?少子化といわれながら,私たちの社会福祉に対する知識,理解度はどの程度なのでしょうか。私たちは,生活のなかで多くの社会規範(法律,制度,道徳など)に守られて毎日を過ごしています。しかし,どれだけのことを知り,わかっているのでしょうか。私たちは公的介護保険制度などにみられるように,社会に存在する制度などをしっかりと100%理解していると言い切れるでしょうか。そうしたなかにも,私たちが社会福祉を学ぶ意味が隠されているのではないでしょうか。
今,社会福祉の現場は資格制度の時代に入り,「社会福祉士及び介護福祉士法」が施行され,15年目になりました。当初,この資格は名称独占ではじまったわけですが,今も業務独占とはなっていません。しかし,施設,機関などの現場では国家資格をもった人たちが多く現場にたつようになってきたのも事実です。そうしたなかで,澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】社会福祉学科には,資格制度が制定される前に卒業された方や高校,専門学校などを卒業してすぐに現場に入った方たちが働きながら学び,資格を取得できる機会をつくってほしいという声も多く寄せられており,私たちはそれに応えていかなければならないと考えてきました。その結果として,通信教育部の開設の運びとなったわけです。
社会福祉士や精神保健福祉士の国家試験の受験資格を得ることは,普通に勉学を積めばむずかしいことではないと思います。ただ,通信教育部で国家試験を受験して合格を手にしたときには卒業していなければなりませんので,確実に卒業が見込める段階で挑戦するということになります。
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最初のうちは事務的な問題やスクーリングなど教職員も慣れないため,行き届かない点があると思いますが,教職員が一丸となって受講生の皆さんのために一生懸命に取り組んでいることをご理解ください。そして,何よりも澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】なことは皆さんが第一期生ということです。誇りと自信をもって,勉学に取り組んでいただきたいと思います。教職員あげて,皆さんの勉学をサポートさせていただく所存です。
結果を出すことが目標です。特に,国家資格としての社会福祉士や精神保健福祉士取得を目標とされている方々にとっては受験資格だけでは意味がありません。積極的にチャレンジしてください。その前提として履修しなければならない科目が多くありますので,一つひとつを確実にクリアするよう心がけてください。また,資格取得にこだわらず卒業を目標とされる方は,自らがどのような分野を中心に学ぼうとするのか,しっかりとした方向性をもつことが肝要かと思います。生活全体のなかで,計画的に取り組んでください。
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私が学生のとき,年齢が48歳も違う私の恩師に次のようなことをいわれました。「私が学生の頃,勉強に必要な本を1冊読めばすんだところ,三浦,おまえたちは10倍以上読まなければならないので大変だな」といわれたものです。そういう恩師は,私たちの10倍も20倍もの読書量があり,本を読むことの大切さを教えられてきました。通信教育部に入学された皆さんも働きながらの勉強は大変なことと思いますが,本を読むことの大切さを考え,読書することを習慣づけるよう心がけてほしいものです。
読むことによって,書く力を養い,論理的思考を鍛えてほしいと思います。例えば,社会福祉の世界では技術というものが偏重されているような気がいたします。しかし,技術は時代のなかで大きく変化をみせています。日常生活のなかで,2000年前の技術が多く活用されているとは思えませんが,生活のなかでの思想は2000年の月日が過ぎようとあまり大きく変化しているようには思えません。儒教は古くさいと思われるかもしれませんが,今の時代にも生きているのはどうしてでしょうか。時代の流れのなかで,技術の変化は著しいが,人の考え方は技術の変化に比べれば遅々たる変化に過ぎないのではないでしょうか。そうしたとき,先人の思想や哲学を身につけることの澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】性が意識されなければならず,その思想や哲学は決して古いとか新しいとかで判断されるものではなく,その人の生き方を決めていくうえで澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】な要素になると思います。つまり,私たちは経験からだけでなく,いろいろな書物のなかから多くのものを学ぶことができるのではないかということです。
私たちは,通信教育で学ぼうとしているみなさんと澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】が何らかの価値観を共有できるよう学びの姿勢をもっていきたいと思っていります。どうぞ,これからよろしくお願いいたします。