澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】感性福祉研究所3.11プロジェクト

研究組織

組織の概要

研究代表者:阿部四郎  総括班代表:江尻行男 

本研究プロジェクトは、健康や福祉に関わる諸問題への種々の取組みが展開される世界を全体論的に捉えるために「システム」概念を導入し、その「システム」の作動と変化を分析的に評価するために、「再構築」に向けた種々の取組みに関して、価値実現を図る諸方策の名宛、担い手、内容の性質に注目し、その異成分的なもの—個人と地域、制度的と非制度的、公式的と非公式的、ネガティブとポジティブ、リアクティブとプロアクティブ、処方指示的と参加型的、資源配分的と資源創造的等—からなる複合体の動態的進化過程として捉えようとするものである。

しかし、本研究プロジェクトの研究作業が実施される「3.11」の『集中復興期間』後のフェイズにおいては、「健康福祉システムの再構築」は、「3.11」の諸衝撃からの諸問題に対する対応と対策における転換と健康福祉をめぐる諸問題への諸対応?対策における改変、という二重の政策的?制度的諸条件の変化に大きく規定される。加えて、被災地の各々における「健康福祉システムの再構築」は、被災前及び被災後に付加される人的?物的?社会的資源の減殺によって大きく制約されるだけでなく、人々や地域の暮らしの「復興」(ここでは、広く自己再強化的ダイナミクスの内蔵と定義する)に向かう歩みにおいては、特に「地域における産業の再生?活性化」、「地域コミュニティの再生?再構築」、との三者間で、互いに条件とも結果ともなる相互作用に規定される。そうした「地域の健康福祉システムの再構築」における制約諸条件とそれらを克服しようとする種々の取組みの現状をリアルに捉えるためには、視野を拡張して政治的?経済的?社会的文脈の中に置き、かつ事態の推移を過程論的?動態的に描く射程の延伸をも必須とすることから、本研究プロジェクトにおいては、相互に関連する以下の四つの作業グループ—本研究プロジェクトの課題達成に向け、問題連関の明確化と共同研究の実効的な進行という点からする部分集合—を設定する。

 G1 政策的?制度的問題対応枠組みの転換や改変
 G2 地域における産業の再生と活性化
 G3 地域コミュニティの再生?再構築
 G4 地域の健康福祉システムの再構築

各グループ内の研究チームの編成については、プロジェクトの進行途中でも、必要がある場合には、チームを追加する。

G1グループ:「政策的?制度的問題対応枠組みの転換や改変」

グループ幹事:阿部裕二、田中治和

被災者や被災地が「大災害」の諸衝撃から回復?再建を達成するには、課題対応のための人的?物的?社会的資源が大きく減殺されているため長い期間を要するが、被災からの事態の推移の中で起る政策的?制度的な問題対応枠組みの転換や改変が大きな付加的制約条件となる。発災当初の「被災者」と「被災地」、「要援護者」や「要支援者」の公式的定義と対応策や制度的手立てにおける諸条件の設定が人々や地域に心的?社会的反響を惹起するだけでなく、回復?再建に向かう過程において生ずる諸条件の変更が更なる厳しい制約の付加ともなる。そのため、諸条件の変化とそれらが人々や地域に課す諸制約を明確にするため、以下の研究チームを設定する。
 
 ①「3.11」への対応、対策における転換
 ②健康?福祉に関する政策的?制度的改変
    
G2、G3、G4の研究課題のいずれにも「地域」という名辞が附せられているのは、被災状況とその衝撃、及び人的?物的?社会的な諸条件に大きな地域差があるだけでなく、固有名詞の附せられる政治?行政上の管轄区分と重なる一定の地理的空間が、現行の統治構造の中で問題解決の行動単位として設定されているからである。

しかし、その地理的空間域は、実態的には境界を越え、あるいは内部をさらに細分する多重の社会的?経済的?文化的諸機能空間が重層しているため、多層的空間系の中の部分集合とみることができる。そして、分析的にみると、そこには二つの空間概念—場拘束的な「プレイス」(歴史や文化や人々のアイデンティティが地理と緊密に織り込まれた実体的土地空間)と場離脱的な「スペース」(様々な機能のフローのネットワークを通じて構成される網状的空間域)—が重合している。加えて、一方では、問題や課題の定義と諸対応?対策の名宛となる「人」と「地域」の関係は相乘と相反の二面性を有すると同時、他方では「地域」の諸問題及び課題は当該「地域」プロパーのものとして解決することは困難であり、当該「地域」を越えるより広い文脈における課題関心へ連ねる社会哲学と戦略を要する。そうした問題連関を視野に入れながら、三つのグループが設定されるが、各グループに対応するチームの編成は、研究資源の制約から網羅的ではなく、本研究プロジェクトの遂行にとって必要最小限のものである。

従って、個々の研究者が複数のチームに参加すること、及び外部からの研究協力者が若干名参加することがあり、また、各チーム間で協働的な作業を行いうるものとする。

G2グループ:「地域における産業の再生と活性化」

グループ幹事:山口政人

?農業と関連組織  
?水産業と関連組織 
?製造業、サービス業と関連組織

G3グループ:「地域コミュニティの再生?再構築」

グループ幹事:萩野寛雄、渡部芳彦

?まちづくり(地域組織、活動)
?宗教(+心のケア)             
?災害伝承、歴史や文化の発掘?再生?創造

G4グループ:「地域の健康福祉システムの再構築」

グループ幹事:塩村公子、阿部一彦

先行の『戦略的研究』においては、「災害」を社会現象として捉え、「健康福祉システム」概念の構成を「人と地域」、「制度的なものと非制度的なもの」をも含むものへと拡張し、「健康福祉システム」の作動を大きく規定する諸要因(地域の産業や地域コミュニティのあり方)をも視野に入れることを前提に、それらを統合するために「社会的脆弱性」の概念を導入した。そして、「人」に関しては、主として救急や避難の緊急事態フェイズに焦点をあてる公定的『災害弱者』の定義に加え、『被災弱者』—かけがえのないもの(家族、親しい人、住宅、生活の糧、社会関係など)の喪失、職務上の責任や労働の過重、惨状への遭遇などによって、PTSD、障害や疾病、生活困難などの窮状の重荷を背負うことになる人々—の定義の導入の必要が提起された。

『集中復興期間』後の事態の推移を観察期間とする本研究プロジェクトにおいては、その『被災弱者』の実態を追跡し、問題と課題を抽出するための調査手法、『被災弱者』が被った災禍への対応?対策などの取組みに関する分析的視点の設定などの検討を通じて、チームの編成がなされるが、先行の『戦略的研究』からの積み重ねという点から、「制度的」なものに関しては、次の2つを研究課題としている。

 ①「地域福祉計画における『被災弱者』
 ②「保健福祉計画における『被災弱者』

実態面に関しては、『災害弱者』の定義に含まれていた個別対象としての「高齢者、障害者、児童、幼児」を担当したチームと新たに追加するチームを基に再編してきた。
しかし、今後、研究作業を実施していくにあたり、プロジェクトの発足に際して設定した個別研究チームやその研究メンバーについて、必要がある場合には、チームの追加?再編、研究メンバーの追加?再編を行う。

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