2021/11/18 保育士?幼稚園課程

保育実習指導Ⅱ

11月18日(木)6限の保育実習指導Ⅱでは、「保育のキャリア形成Ⅱ」と題しまして、緑ヶ丘第二幼稚園園長であります三塚薫先生をお招きし、対面で授業をしていただきました。


今回の流れは以下のようになっております。
1、自己紹介
2、幼児教育とは
3、幼稚園とはどのような場所か
4、教育実習とは
5、コミュニケーション
6、教師の役割
7、質疑応答
8、利根川先生より

1、自己紹介
本題に入る前に、お菓子の箱やプラスチックの容器などはゴミ箱に捨ててしまえば廃材であるが、洗って乾かし、子どもたちの前に出すと、それがコマになったり、けん玉になったりと、廃材ではなく教材になるということをおっしゃっていました。
また、日が落ちる時間が早くなり、夜の暗さを生かし、緑ヶ丘第二幼稚園ではイルミネーションを点灯しています。イルミネーション1つとっても、子どもたちが制作した作品を飾ることや、作品の世界観を出せるような色味の電光を三塚先生自らが選び、取り付けを行うこうこと、遅くまで園にいる子どもたちの特典になるようになど、さまざまな工夫がされています。

はじめに、三塚先生の自己紹介と自己紹介の意義についてのお話がありました。自己紹介とは自己開示であり、学生が話を聞いて理解してくれるためには、まず自分のことを伝えることが必要です。これは、保育者と子どもたちの関係でも同様であり、子どもたちの心に寄り添っていくには、保育者の自己開示が大切であるということです。

また、澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】感染症は、保育所にも多くの影響がありました。何もできないことを数えるよりかは、作品展の保護者の鑑賞で、一方通行を行い、人との接触を減らし、対策を行いながら実施するなどいつもとは違う形ではありますが、できる方法に変えて行うことを目指しています。しかし、コロナ渦で失われたとばかりではありません。ICTの活用はとても便利であり、人との距離を近くに感じることが出来ます。一人ひとりが感染症について「我ごと」として考えていくことは、非認知能力(※)をフル活用させ、共存していく方法を獲得していきました。
※非認知能力…認知能力以外の能力を広く示す言葉で、テストなどで数値化することが難しい内面的なスキルを指す。

2、幼児教育とは
次に幼児教育についてお話がありました。幼児教育とは、学校基本法、学校教育法などの法律を基に行っています。教育と言っても、文字や算数を教えるものだけではなく、子どもに様々なことを考えてもらう力をつけていくことが教育と考えています。今日では、幼児教育と保育は一元化されようと進んでいます。質の高い幼児期の学校教育?保育の一体化的提供として、施設の一体化として、認定こども園が各地で盛んに作られている現状があります。

また、働き方改革によって、月案、週案、日案が一枚になっているものがあることや、働く人個人の時間も大切にできるようにする(個人として生きる)考え方に変化してきています。

3、幼稚園とはどのような場所か
考え方についてでは、幼稚園という場所にこどもが社会人として通っていると考えます。幼児期では人格形成の時期であり、保育者との関わりの中で成長していきます。そのため、保育者は子どもを社会人として対応し、丁寧な言葉で話をします。
例)園の生活の中で、子どもが三塚先生に対して、「園長先生、○○してくれてありがとうございます。」と丁寧な言葉で伝える様子がある。
三塚先生は、子どもの「ありがとう」が自分のやる気を引き出すことに繋がっており、源となっているとおっしゃっていました。

ここで、幼稚園とはどのような場所なのか、幼児?教師?保護者それぞれの立場から考えました。

◎幼児
?ドキドキワクワク、楽しい、やってみたい、悔しい、難しいなど友達や保育者との関わりを通してさまざまな感情をもつ
?どうしよう、次はどうするなど非認知能力が育つなど
◎教師
?一人ひとりの育ちのスピードに合わせる
?子どもの興味や関心を広げる
?伝え合い、表現を共有する。報告、連絡、相談
?職員自らの学びに向かう力を培うなど
◎保護者
?子どもの教育の権利が保障される
?子どもが安全に安心して過ごすことができ、成長に適切な環境を整えることができるなど

4、教育実習とは
幼稚園での教育実習では、事前に情報をホームページなどで調べておくと良いです。なぜなら、園側では実習生はどこまで園のことについて知っているのかを把握することが難しいからです。実習園が全てではなく、園によって日程や内容は異なります。

実習を行うにあたって、澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】となる点についていくつか紹介します。
?実習日誌は日記ではなく、自身の感情を書くのではなく、振り返りをするために事例や場面を記載し、保育者の意図や自身の関わりについて考えたことを書く
?字は丁寧に書き、漢字の書き間違いがないようにする
?文体を統一し、分かち書きができるとなおよい
?ら抜き、い抜き言葉を使わないなど正しい日本語を使う
?子どもを社会人として関わる
?何を勉強したいのか、目的をもって保育に入る
?受け身ではなく主体的に動く

他にも、園の中心になるのは幼児であって、そこに関わる全員が園を作っているという意識をもつことが大切であるとご助言いただきました。実習生もその一員であり、だからこそ、報告?連絡?相談が必要になります。どんな些細なことでも、必ず園長まで知らせ、保育者自身が気を付けるべきところを学んでいくことが、ヒヤリハットなどを繰り返し起こさないために澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】です。これは保護者と園の信頼関係にもつながります。一つ一つの積み重ねで信頼関係を築いていきます。

5、コミュニケーション
コミュニケーションでは、お互いが話し、聴くことを平等にすることが大切であって、相手の反応によって話し方や関わり方を変えることが必要です。なぜなら、相手を変えたいと思っていても変わらないものであり、まずは自分の対応を変えてみる必要があるからです。
コミュニケーションは、①関係を構築する能力②問題を理解する能力③表現する能力に分かれます。以下詳しく説明します。

①関係を構築する能力
…親しみやすい、気配りが上手、人への興味関心が高い、空気が読める、協調性がある
②問題を理解する能力
…話が早い、飲み込みが早い、安心して任せられる
③表現する能力
…相手に伝わるような表現、言葉の語彙数が多い、表情、手振り身振り、雰囲気、服装


コミュニケーション能力を子どもたちにも育てていくためには、遊びの中でもごっこ遊びがその力を育むことに繋がっていきます。ごっこ遊びをする子どもたちは、自分の生活の経験、吸収をしたことを表に出して遊んでいます。これは、インプットしたことをアウトプットして遊びを展開していることになります。
保育者は子どものイメージを共有するために、子どもと一緒に遊ぶ中で肯定的な言葉で関わり、コミュニケーションをとることが必要になります。例えば、「落ち着きのない子ども」と捉えるのではなく、「色々なことに興味がある」というように肯定的に捉えます。これは保育士課程で重点的に行われるプラスの評価に繋がります。
否定的な表現は大人が思う以上に、子どもにとっては意識してしまうことであるため、知らず知らずのうちに子どもを傷つけてしまう恐れがあることを自覚し言葉には気を付けていきたいとおっしゃっていました。

子ども同士のトラブルもコミュニケーションを育む要素の一つです。本質的なことが分かっていないと意味はありません。子ども同士で気持ちを伝えることや保育者の援助により、相手の気持ちに気が付いたり、お互いに納得したりすることもコミュニケーションを育むうえで、大事にしたいところです。

6、教師の役割
最後に教師の役割についてお話いただきました。
?教えるのではなく、子どもが環境に働きかけて、やってみて感じ取れる環境を工夫する
?子どもと同じ目線で同じ立場で一緒に遊び、遊びの仲間として共感や提案をする。(安全管理の視点も必要)
?子どもの様子が見えやすい、言葉が伝わりやすいなど立ち位置を考える
?集団と個別の対応(一人ひとりを丁寧に対応することでおのずと集団の対応になっていく)
?自己の気持ちのコントロール(しなやかな心で、ポジティブシンキング)
?SOSの発信と報告、連絡、相談
?感謝とお礼の気持ちを常に持ち、自分から挨拶をする
?イイトコメガネ(相手のいいところを探す)

7、質疑応答
Qホックブロックの遊びでは、どうして5歳児に声掛けをしたのか。
Aその年に初めて出した時期であり、年長次は前の年長次を見て遊び方を知っている。ホックブロックは子どもが持つには重く、安全面にも配慮。遊びの伝承をして欲しいこともあり、秋に出したときには、4歳児に声を掛けた。

8、利根川先生より
利根川先生から幼稚園実習についてお話をしていただきました。まず、実習を行う前に今一度「資格を取得する理由は何か?」「取得することで周りにどのような影響を与えるのか?」を考える時間を設けてほしいとのお言葉がありました。
三塚先生の講話から、コロナ渦の中でもできることをできる方法で行っているところや、緑ヶ丘第二幼稚園でのさまざまな実践例を紹介いただき、新たな視点からの保育を学ぶことが出来ました。3年生のみなさんは、春の課題を通して、改めて幼稚園実習に向けての準備進めていきしょう!

記事担当 末永あかり