2017/04/14 保育士?幼稚園課程

2017年4月14日 4年生教育実習の事前事後指導

2017年4月14日 4年生教育実習の事前事後指導

今週も張り切って4年生実習指導の様子をお届けしたいと思います。花粉症の方にも、風邪引いている方にも、元気な方にも、楽しんで見ていただけたらうれしいです。

今週の実習指導は先週に引き続き「保育?就活の要訣」と題しまして、和田先生がお話下さいました。最初に、『セクション3 実践!新しい保育就活』ババン、とパワーポイントを写し出し、和田先生が放った一言目、

「求人から求職へ。求人を待つのではなく、求人を出させる。」
「子どもたちにとってよいものを追い求め、何十年とかけて作り上げている、そんな園には求人がない、のが現実。その壁を、どう打ち破るかどう乗り越えるか。どうしても採用したいと思わせるか。だ!!」
今週も、和田先生によるTFU保育士?幼稚園課程ならではの就職活動術について講義がスタートしました。
では、その、簡単とは断然言えないその高い高い壁を乗り越え、幸せな就職を掴むためには、具体的にどのようにして就職活動を行っていけばよいのか。和田先生が4つのプロセスに分けてお話して下さいました。

プロセスⅠ アセスメントフェーズ
情報を収集し、抽出する、です。情報の集め方にも、レベルがあり、レベルが上がるにつれて信頼性も、質も、難易度も高くなっていきます。
レベル1 求人票(キャリアセンター、ハローワーク、ネット)
レベル2 就職説明会(業者開催、団体開催)
レベル3 口コミ、評判
レベル4 過去の実習、就職、先輩(卒業生)情報
レベル5 文献(専門誌ほか)掲載、超有名園

幸せな就職をするためにはもちろん、レベル5までクリアすることが求められるということですね。
プロセスⅡ 参入フェーズ
現場に突撃し、現場になじむ です。現場に参入するには、つぎの5つの心得が必要です。
その1 単なる見学は意味がない
その2 研究テーマを明確に持つ
その3 事前情報収集を綿密に
その4 1日よりも3日、3日よりも1週間
その5 コスト設計(旅費、滞在費など)十分に計画
単に、半日程度、園を見学させていただく。そのような上辺だけの見方では意味がない。実際に保育者と会話し、保育者の温かみや優しさを肌で感じ、子どもと接して子どもの姿を見て、環境構成の背景を知る。そのような“実践への実際の参画”を行います。

自分は、その保育参画の中で何を知りたいのか?例えば、「環境構成に込められている想いを知りたい」「保育者の子どもとの関わりが知りたい」などなど
自分なりの具体的な研究テーマ、私はこういうところにこだわって、ここを保育参画のなかで学んでくるぞ、というような具体的な視点を持って保育に参画していきます。そのためには、もちろん、事前の情報収集が大切であることが、必然的に分かってきます。
「まぁ?」と和田先生。「1000園近くも見てきたから、俺は5分でだいたい推察できるけどな。」と、かっこ良くおっしゃっていました。偉大な先生です。
また、子どもの姿?環境構成?保育者の関わりなど、さまざまな場面を見るため、細かいポイントを一つ一つ見ていくためには、出来るだけ長く、継続的に、保育参画を行うことが理想的です。場所によっては、滞在費や交通費等もかかってくるため、そういった意味で、保育参画を行う際には、綿密にスケジュールを組み立てることが参入フェーズの大切なポイントである。と和田先生がお話下さいました。

プロセスⅢ 評価フェーズ
保育の質?中身を評価する です。いかに見破るか、見極めるか、本音を引き出すか。いつ、どこで、誰を、誰に、なにを、どう聞くか、どう観るか。得た事実を、なにを基にどう分析するか。見破るためには、見極めるためには、本音を引き出すためには、まず自分が、理論的に裏付けられた保育の質を言語化できなければなりません。自分で何が「質の高い保育」なのかを言葉で説明出来なければ、「質の高い保育」を見極めることはできない。だから、和田先生が何度も何度も耳にタコができるくらい、文献を読め、専門的に保育を学べ、とおっしゃられるのはそういうことなのです。
どう聞くか、なにを聞くか、そこでいかに本音を引き出せるかは、信頼関係づくりが澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】なポイントとなります。現場の人たちとなじむ、いい関係を作る、だからこそ見えてくることや、本音で聞けること、が多くなってきます。この評価フェーズで大切なのは、「保育専門知」と「信頼関係づくり」となります。

プロセスⅣ 求愛フェーズ
求職の意思表示をする です。プロセスⅠ?Ⅲまでの過程を踏んで、私が理想とする園はここだ、と思ったら、いよいよ履歴書(ラブレター)を提出し、求愛フェーズに入って行きます。時には、なかなか相手に想いが届かないかもしれない。時には、一度二度と、失恋することも?あるかも?しれない。
しかし、「愛情の深さの分だけ、幸せはかえってくる」和田先生がそう言い切りました。
先週も、今週も、共通して和田先生が強くおっしゃられているのが、「保育を学ぶこと」ですが、今、実際に現場で働かれている、TFU保育士?幼稚園課程の先輩方もこんなお言葉を残されています。
「就活こそ、それまでの保育の学びが問われ、就活こそ保育の学びの出発点だと思います」
「就活でいろんな園に足を運び、現場の園の保育者の思いを見て聞き、肌で感じることは、理解する濃度が違うと実感しました」
素敵で、かっこいいお言葉です。保育を追求し、保育を学び続けた先輩だからこそ、実感を伴って言えるお言葉なのだと思います。特に関東地方では引く手あまたの保育士。しかし離職率が高いという現実。その中で、一生涯の職業として、自分の理想とする園で質の高い保育を追い求めるため、そのスタートとも言うべき、この就職活動。
今までの和田先生の講義を一言で言うと、ズバリ、保育の就職活動=保育実践研究(質的研究)
“この場面でのこの先生のこういう関わり”というような具体を集めていき、抽象化する、文献を読み文献と照らし合わせる、抽象的なイメージを裏付けしていく、実際の現場に参加し、関わって、やりながら、観察していくことを繰り返し行っていく。このような、実践的な保育の研究を行ってこそこれが本物か!という保育に出会うことができると、和田先生がお話下さいました。
先週?今週と2回にわたって「保育?就活の要訣」について和田先生がお話下さいましたが、その締めくくりのお言葉が、
『就活の今こそ保育の〝言葉″を持つために学び直そう』
今週は盛り盛りだくさんの内容。引き続き「求人票の見方」について和田先生による講義です。だいぶ記事の内容も盛りだくさんなので、さらりと紹介したいと思います。
単なる、求人票の見方ではありません。求人票に込められた、裏にある本当の意味を知れ、ということです。
? “初任給が高い”その意味は?(短期雇用サイクルにハマるな)
? 基本給と手取りとは?
? “募集人員”その意味は?(その法人で新規開設園がある?無い?)
? 手当は?保険は?
などなどなど、もちろん、求人票だけを見て就職を決めるのは多いに問題。しかし、求人票に込められた本当の意味を知ることも大切なこと。というお話でした。
今週の実習指導はこれにて終了です。盛り盛りの、内容の濃い講義のすべてを、一ミリたりとも逃さずお伝えしたいところですが、それがなかなか出来ないのが悔しいところ。しかし、和田先生が私たちに熱く講義をしてくださったこと、そこで私が私なりに感じとったもの、できるだけたくさんお伝えしたいと思い、今回筆を取らせていただきました。長い記事にお付き合いいただきありがとうございました。

記事担当者:稲葉